ラテン・アメリカ政経学会

オンライン・ラウンドテーブル(ORT)とは

オンライン・ラウンドテーブルとは、オンライン会議システムを利用して、会員間で部会などの意見交換を行う手段です。
会員間の意見交換の場所として、学会には大会と地域部会があります。これにオンラインの場を加えることで、開催や参加にかかる時間的・金銭的な費用を下げることができます。学会として活発な意見交換の機会の提供を目指します。

<内容>
具体的には以下のような機会の提供を想定しています。
・従来の地域部会で行っていた研究報告
・会員が出版した本のブックトーク
・最近執筆した論文、レポート、エッセイなどについての報告
・ラ米各国のコロナウイルス対策等の最新情報の共有
・新規会員の自己紹介や交流

<開催要領>
1 ORT開催を提案する会員は、開催希望日の2週間前までに、企画案(テーマ、司会、報告者、討論者など)をORT担当者へ連絡してください。報告者自身が提案することも可能です。
2 地域部会担当理事が企画を確認し、承認します。
3 提案者が開催日時を決定したのち、ORT担当者がオンライン会議を設定します。
3 提案者がメーリングリストを通じて開催概要を会員へ告知します。
4 終了後、提案者は開催報告をORT担当者へ提出して下さい。記録として学会ウェブサイトに掲載します。
企画の提案のほか、意見交換が活発になるようなテーマをお持ちの方は、ORT担当者までお知らせください。

<オンライン会議システムの利用について>
ORTはオンライン会議システムの1つであるzoomを使って開催する予定です。インターネットに接続したパソコン、タブレット、スマートフォンから利用できます。参加に費用はかかりません。
オンライン会議への参加に慣れていない会員には、利用方法などの情報を提供したり、オンライン会議室へのアクセスをサポートします。

ORT担当者
清水達也(ウェブサイト管理担当理事)
tshimizu1968<at>gmail.com

ORT開催報告

第1回ORT(2020年8月21日金曜日14:00~15:00) 
ブックトーク 大澤傑会員(駿河台大学)『独裁が揺らぐとき:個人支配体制の比較政治』
司会 舛方周一郎会員(東京外国語大学)

大澤会員は、独裁体制の類型の一つである個人支配体制の成否やその型式に関する法則性と、個人支配体制が危機に直面した時にどのように崩壊、あるいは維持されるパターンに関する理論的な知見を説明したのちに、パラグアイとニカラグアの事例を中心に、独裁体制の統治と体制変動の関係性や、ラテンアメリカ地域全体へのインプリケーションなどを示した。
討論者の豊田紳会員(アジア経済研究所)は、本書の①事例選択の妥当性、②国家と社会をつなげる政党の位置づけ、③差異法を用いた本書の方法論などに対する疑問を提示した。
質疑応答では、①体制の正統性に対する理論的な位置づけ、②ベネズエラのチャベス政権を個人支配型と定義する根拠、③経済発展の度合と体制の維持・崩壊に関する関係性、④個人独裁者が自由に供与できる政治的な裁量はどのように規定されるのか、⑤ベネズエラのマドゥロ政権の存続・崩壊の可能性などに関して議論が行われた。
本イベントを通じて、個人支配型の政治体制に関する比較政治学を専門とする大澤会員と、1国の地域研究者の分析とは異なる含意をラテンアメリカ研究者たちとが共有できたことは、本学会としても意義深いことであった。
なお、オンライン・ラウンドテーブルは初めての試みでありながら、14名の会員の参加があり、報告者との活発な意見交換がなされたことにも触れておきたい。今後も、ORTを通じて若手研究者の報告や、コロナ禍のラテンアメリカ地域の情報を共有する機会を提供する場になることが期待される。

文責:舛方周一郎